お知らせ : ページ 232

バイフォールド・ドア(折れ戸)の脱落メンテナンス

輸入住宅の造り付け収納によく用いられるのが、バイフォールド・ドア(Bifold Door)。

開閉する為のドアのガイドレール(Track)が、ドアの上枠に付いているので、床にレールや敷居もなくバリア・フリーを実現出来るのも魅力です。

ただ、長い間使っていると、写真のようにドアを吊り込んでいる部品が緩んで、ドアの位置がずれてきて調整しなければいけなくなります。放っておくと、ドアや枠、その他の部品を傷つけたり、破損させたりしますが、メンテナンスの方法が分からない、施工してもらった建築屋さんが対応してくれない、事業を止めてしまった、というユーザーも多いと思います。

そんな方の為に、NET講座を行いたいと思います。いろいろなメーカーが、様々なデザインの部品を使ってバイフォールド・ドアのセットを作っていますが、基本構成はどこもほぼ同じと考えていいでしょう。

そこで、まずは標準的な部品構成の図をご覧下さい。

トラブルの多くは、Trackと呼ばれるトップ・レールに差し込まれる2種類のTop Pivotと吊元の床に取り付けられるBottom Pivotの辺りで起こります。

今回は、一番最初に紹介した写真のトラブルの解決方法について解説することと致しましょう。まず、下記写真の中央に写っている部品を、top pivot bracketと呼びます。

この部品にあるボルトを回して、折れ戸の上の端(上吊元)の位置を調整したり、固定したりします。この部品を上枠のガイド・レールに差し込んで取り付けます。

写真を見て頂くと分かりますが、固定用ボルトには固定用ナットが付いており、このナットをレールの中にかませてボルトを締めれば、top pivot bracketが自由な位置で固定出来る仕組みです。

そこに、写真のtop pivot bracketの右に写っているピボット(白いプラスチックが付いた棒状の部品)をtop pivot bracketに開いた穴に差し込めば、折れ戸の上部が固定されます。

今回のトラブルは、ボルトが緩んで折れ戸が自由に動く状態となり、ドアが正しい位置で固定されなくなったのが原因です。

つまり、top pivot bracketの位置を元の場所に戻してやれば、簡単に解決する問題です。

同様のことは、下吊元のBottom Pivotが差し込まれているJamb Bracketでも起こります。但し、この場合は、Jamb Bracketを触るのではなく、Bottom Pivotの差し込み位置を調整します。

簡単な仕組みですので、部品を確認して固定をしてみましょう。pivotを固定する位置は、折れ戸のもう片側のpivotの位置や別の部屋のバイフォールド・ドアを参考にして調整してみて下さいね。(部品をなくしてしまうと、メンテナンスは出来ませんよ)

不明な点は、ご質問下さい。また、部品の調達やメンテナンスのご依頼は、お問い合わせ願います。窓やドアの修理・メンテナンスの概要は、リペア&メンテナンスのページをご覧下さい。

<関連記事>: 折れ戸用ピボットの今の主流は、こちら (2013年10月28日)
<関連記事>: 古いローラー・ピボットも手に入ります (2018年1月15日)

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今回は、少し華のある記事を

最近、施工や工事についてのお話が多かったので、春らしい輸入の照明器具に焦点を当てましょう。

こちらの照明器具は、一般にペンダントと呼ばれているタイプで、天井から吊るす形で使います。多くの場合、ダイニング・テーブルやバー・カウンター、アイランド・キッチンの上に複数取り付けるのが一般的。

ステムと呼ばれる細長い棒で吊っているのですが、このステムはネジが切ってあるので、つないで長くしたり、逆に短くすることも可能です。だから、吹き抜けのような高い天井であっても取り付けられるんですね。

但し、天井に傾斜のあるようなスロープ天井では、ちょっと無理がありますから、そういう場合はチェーン・タイプのペンダント照明を選ぶときれいに納まります。

薄いベージュの膜が張ったようなガラス・シェードの筒の上に小さなお花が咲いたようなデザインは、なかなか可愛らしいですよね。

今回、豊川市のレンガの家、N邸でこちらを使おうと思ったのですが、納期が掛かるということで採用出来なくなりそうです。(別のもので素敵なものがありましたから、大丈夫ですが・・・)

輸入の照明器具は、欠品、長納期、廃番といったことが問題となるケースが多々ありますが、それでも美しいものは使いたいですよね。

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この基礎の上に、レンガを積みます

建物の周囲のコンクリートが、ひな壇のようになっていますね。幅がおおよそ150mmあるのですが、ここに厚さ90mmのレンガが外壁(外装材)として積まれていきます。このひな壇は、実は建物の下全体に敷かれたベタ基礎がそのまま張り出したものなんです。

このコンクリートの厚みからも分かるように、屋根までレンガを積んでもビクともしない基礎強度を持っています。構造が木造の輸入住宅本体とレンガ積みの外壁とが、こうして別々に基礎の上に載ってきますから、いくらレンガが重くても構造体には何ら負担は掛からないという訳です。

また、同じベースの上に構造体とレンガの外壁(外装)とが載っていますから、地震の揺れも同じように対応します。これって、耐震性においては結構重要なことなんですよ。

それに対して、スライス・ブリックのようなレンガ・タイルを張った建物は、写真の青い部分(構造体)に全て張り付くこととなります。建物にしてみれば、コバンザメのようなタイルが体中にくっつくのですから、重さで建物が少しずつ圧縮されるリスクを背負ってしまうんですね。

まあ、それはサイディング張りでも同じですから、外装材としてはレンガ積みが一番軽い構造体を実現出来る建材と言えるのです。

でも、建物の長い外周全体にレンガを積む訳ですから、大変な労力と時間が掛かります。今の日本には、こういう面倒な仕事をしようという職人は殆どいません。だから技術も途絶えてしまいました。

私たち、ホームメイドは、レンガ積みのプロをカナダから招聘して施工します。わざわざ呼ぶのは、その技術の高さに於いては、日本人では敵わないからです。

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天井にも自然な断熱材

セルロースを2階の天井に入れて、屋根裏との断熱を図るというのは結構大変な作業です。

それは、上を向きながら長時間吹き込み作業をしなければならないということの他に、セルロース自体の重さに耐えられるようにしっかり不織布を張る必要があるからです。

セルロースを入れる場合、壁の厚さは約90mmですが、天井の場合は200mm以上になりますから、その重さも尋常ではありません。空気を含んでいるとは言え、元々、紙を粉砕した木の繊維ですから、重いんです。

ただ、壁と同様に天井においてもセルロースを吹き込みしにくい場所がありますので、そういった場所には少々値段が高くても天然ウールの断熱材を入れるのです。

この写真は、天井にセルロースと羊毛の2種類の自然な断熱材を同時に施工した豊川市N邸の様子です。

天然ウールは、比較的軽いですしホチキスでも簡単に留まりますから、重さで下がることはありません。それに引き換え、セルロースの断熱材は不織布を押すように、こんもりと膨れているのが分かります。

輸入住宅の外周面が全てお布団のような断熱材で覆われているなんて、素敵だと思いませんか?いずれにしてもこれらの自然な断熱材が、皆さんの生活空間を快適にしてくれるのは間違いないですね。この上に石膏ボードを張ってドライウォールで仕上げれば、呼吸する壁は完成です。

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全館空調もひとつの術

私たちが、全館冷暖房(空調)システムを導入する場合、その多くが屋根裏に設置される。

24時間換気の機械と大型エアコンとは別々の装置であり、そこに各部屋へ空気を送り込む太い断熱配管(ダクト)が接続される。

機械類だけでもおおよそ1.5坪程度のスペースが必要となるし、各部屋へ縦横無尽にダクトを延ばす為には、生活空間ではない屋根裏が最も適している場所と言える。ただ、屋根のすぐ下という特性上、屋根から受ける外部からの熱や部屋空間から上がってくる湿気や生活熱を如何に遮るかということを考える必要がある。

そういう点で、断熱と換気という2つの相反する機能を同時に叶えてやらなければならないから、吸放湿作用のあるセルロースや天然羊毛といった断熱材を的確に施工し、外壁から屋根、室内から屋根、そしてその2つの空気を棟へと抜けさせる換気通路を上手に確保することも大切です。

この断熱と換気に於いては、機械的・人工的なシステムは一切介在せず、自然素材と自然の摂理をうまく利用しています。

全館空調や24時間換気というものは、あくまで補助システムであって、電力が期待出来ない非常時でも、住宅そのものの基本機能だけで十分生活出来る状況を作り出すことを家づくりでは目指すべきだと思います。

ただ、この全館空調ってやつが、非常な快適空間を生み出すことは否定出来ません。また、一定温度で静かに運転する状況では、個別エアコンやファン・ヒーターよりも遥かに省エネ・光熱費節減につながります。

春や秋の爽やかな季節では、窓を開けて出来るだけ自然の状態で暮らすべきですし、真夏や真冬ではこうした便利なシステムを上手に利用して、環境に配慮した省エネな暮らしをすることが最も合理的な生き方かも知れません。

浅い人間の知恵だからといって全てを排除せず、しかし乍ら自然と出来るだけ共生するといった建物が、ホームメイドの輸入住宅だと思います。

自然の摂理に基づいた仕掛けや施工、自然素材を用いた優しい空間、全館空調などの新しい技術、レンガ積み外壁といった耐久性を実現する素材、色彩豊かなドライウォールなどによるインテリアデザイン。

これらの全てが絶妙に相互作用することで、家づくりという素晴らしい芸術作品が生み出されるのです。こうした私たちの考えや建築に共感され、施工を希望される方は、ご相談下さい。

<関連記事>: 外壁にレンガを積むということ (2014年3月9日)
<関連記事>: 熱交換型換気装置は、どっちがいいの?(1) (2012年11月13日)

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この外壁用防水紙が、すごいんだ

防火構造面材モイスを張った外壁の上に施工した青い防水紙。これが北米で開発された特殊な防水紙、ウェザーメイト・プラス。

この防水紙は、夏場にエアコンで冷たくなった建物の外壁に発生する結露を防ぐ機能を持っている。

こうした機能は国産の透湿性防水シートにはないので、防水紙の内側になっている外壁面(構造体)では結露による木材や合板の劣化、カビの発生が問題となる。

(実際にアメリカではこれが大きな問題となって、この特殊な防水シートが開発されたという経緯がある)

どうしてウェザーメイト・プラスだけが、結露を防げるのかということの詳細は、以前私が書いた記事をお読み頂きたいが、日本でもこの製品が普及することを切に願っている。

こういうノウハウを公開すれば、競争相手に塩を送るようなものではあるが、そんな小さな欲に縛られて、日本の家づくりをよりよいものにしようという大きな理想を見失うとしたら、馬鹿げていると私は思う。

だから、情報を出来るだけ多くの人に提供出来るように、私たちはこうした記事をNETに掲載し、希望する方には材料の販売や施工も行う。

こうした私たちの考えや建築に共感され、施工や購入を希望される方は、ご相談下さい。

関連記事: ホームメイドの透湿性防水シートは、全然違う! (2007年5月10日)

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羊毛の断熱材は、再生ウール

大きな吹き抜けのキッチン・ダイニングに足場が組まれた豊川市のレンガ積み輸入住宅 N邸。年末までに断熱工事が完了して、取り残されたように天然羊毛の断熱材と長いホースが置いてある。

ホースは、粉砕したセルロースを吹き込む為に使われるのだが、吹き込み機を1階に置いてそこからホースで各場所に送り込む。だから、ホースの長さも50mを超えるくらいでないと全てに届く状況にはならないのだ。

そして、天然ウールの断熱材が少しグレーがかっているのが分かるだろうか。それは、羊毛の生地にする際に使い物にならなかった端材を集めた再生ウールと呼ばれる素材だから、よーく見ると赤や黄色に染色された毛も混じっている。

バージン・ウールを使う時もあるが、ホームメイドでは出来るだけ環境に優しい再生ウールを活用するようにしている。

こうした羊毛の断熱材は、オーストラリアからの輸入建材。流行が変わる度に毎年廃棄される日本の洋服をこうした断熱材に利用すれば、もっと素晴らしいと思うのは私だけだろうか?

私たちの考えや建築に共感され、施工を希望される方は、ご相談下さい。

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こんな機械も自前です

セルロースの断熱材が入った袋の山の向こうに見える青い色をした機械が、ブローイング・マシンと呼ばれる吹き込み用機材。(ブロワーとも言われます)

この機械の上に開いた大きな口にセルロースの固まりを放り込んで、機械の中で細かく粉砕します。こうすることで断熱材と空気とが絶妙のバランスで混在することが可能となり、高い断熱効果を発揮します。

それを掃除機の逆の動きで勢いよく吹き出して、接続されたホースを通り壁や天井の中へと運びます。

セルロースだけでなくこの機械もカナダから輸入したのですが、もう15年も前のことですから何度も修理をしながら使い続けています。これがなければ、自社でセルロースの断熱材を施工することは出来ないですから、一種私たちの生命線と言えますね。

勿論、こうした施工をやってくれる日本の業者さんもいるのですが、少しでもお値打ちにお客さんに提供したいという思いと自社施工の精度や安心感とで、自前で断熱工事をしているというのが実情です。

これは、お金には代えられないことだと思いませんか?

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石膏ボードで隠してしまうのが惜しいです

空気を通す不織布を壁に張って、その中に吹き込まれたセルロースの断熱材。布に開けられた切込みからホースを突っ込んで断熱材を吹き込みます。不織布が少し膨らむくらい目一杯セルロースが入っていますから、壁の一番上まで隙間なくしっかり断熱されているのがお分かりか。

これくらいしっかり施工すると、セルロースが重さで下がって壁の一番上に隙間が生じることもありません。万一、下がったとしても、空気の断熱層となりますから驚く程の断熱欠損にはなりませんが・・・。

セルロースに接着剤を入れて吹き付ける方法もありますが、接着剤に含まれる化学物質の問題や、接着剤で固まったセルロースはゴミになってしまうという点で、私たちは採用していません。

(接着剤を入れた方が、格段に安価で簡単なんですけどね・・・。そこが、ホームメイドのこだわりです)

セルロースの断熱材は、元々木の繊維ですから、輸入住宅に採用される2x4工法のような木造構造物との相性に優れています。勿論、木の柱材と同様に調温機能や吸放湿作用も発揮してくれますから、室内の仕上げにベーパーバリアやビニール・クロスを張るのは以っての外。

ビニールで室内を窒息状態にしてしまうと、せっかくのこうした機能が無駄になってしまいますからね。だから、私たちは、室内の壁に通気性のあるドライウォールを施工するんです。こうした施工は、室内の結露、カビやシックハウスの問題を解決するはずです。

逆に無機質なグラスウールやロックウール、ウレタン断熱材は、そういう自然素材由来の高機能がありませんから、湿気が入らないように壁の中を窒息状態にする必要があるんです。不自然を不自然で上塗りする施工って、よくないですねぇ。だって、将来湿気が絶対入らないという保証はないですし、室内に湿気が籠ってしまいますもんね。

24時間換気があるから大丈夫という人もいますが、それは断熱性や気密を落とすことですし、故障や停電の場合は機能しなくなることを忘れてはいけません。結局、上塗りをし続けても、新たな問題が発生するだけのことなんです。

それにしても、壁にお布団が入っているみたいにきれいに施工されていますよね。

窓の際にあるような狭いスペースには、天然の羊毛も入れてあるんですよ。(こういうところには、ホースが入らないですから、値段が高くても自然な羊毛を使います)

内装に石膏ボードを張ってしまえば断熱材は見えなくなりますが、下地の部分にも気を遣って施工することが大切ですし、それがビルダーの良心ではないでしょうか。皆さんのまわりにもそういう建築屋さんがいるといいですね。

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ここだけは、どんな家でも結露する

コンクリートで出来たマンションやアパート、住宅の窓ガラスや玄関ドア、勝手口ドアなどでは、冬場必ず結露を起こします。

木造や鉄骨構造と云えども、ビニール・クロスで内装を仕上げた高気密の建物では、同様の結露が発生します。それは、壁の中や室内で発生した湿気が、温かい室内で籠ってしまい、それが外壁ラインのやや冷たい空気に触れて水分化するという理屈で結露が発生するという訳です。これは、自然の摂理というやつですね。

そういう点では、中気密・高断熱で外部環境と緩やかな空気の流通のある仕組みを作り、断熱材も吸放湿作用のあるセルロースや天然の羊毛を使った木造構造であれば、結露は一切発生しないと言えます。

でも、そんな私たちの輸入住宅でも1ヵ所だけ絶対結露が発生する場所があるのですが、それはどこだと思いますか?それは、キッチンや洗面、トイレ、お風呂に必ずある給水管。金属の配管の中を、外部から冷たい水が温かな室内に入ってきます。

そこで、料理やお風呂などで湿気のある温かい空気に触れて、湿気が配管に付着して水分化するというのです。それは、夏場の梅雨時などでも同様に発生するのです。

私たちも最初は水道配管からの水漏れじゃないかと疑いました。でも、管から常にポタポタ水が落ちている感じもないので、漏水ではないことがすぐに分かりました。

よく便器と床と接する場所で、水が溜まっていることがありますが、これはご主人や子供がおしっこを飛ばしてしまったからではありません。これは、結露なんですよ。(但し、本当に飛ばす場合もありますよ)

こういう状況では、箱が薄いベニアで出来た国産のキッチンや洗面キャビネットでは、ベニアがカビたり劣化したりして長くは持ちませんね。

勿論、丈夫な箱の輸入キャビネットでも安心するのは禁物です。

洗剤などの生活用品をあまり入れ過ぎず、たまにはドアを開けてキャビネットの中の空気を入れ替えたり、配管に付いた水分を拭き取ったりすると、長くお使い頂けます。

人間の考える家づくりには絶対はありません。常に自然の摂理と対話して、欠点を補ってやることが大切です。間違っても、大手住宅メーカーの家だから絶対大丈夫だなんて思わないで下さいね。メンテナンスが大切ですよ。

私たちのような中小ビルダーに出来ることは、こうした有益な情報を多くの皆さんに公開して、よりよい家づくりを促すことだと思います。誰もこうしたことをやる人がいませんが、来年も地道な活動を続けていきますので、どうぞご覧になって下さいませ。

新築をご計画の方や家のメンテナンスでお困りの方は、お問い合わせ下さい。では、よい年をお迎え下さい。

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